自社株買いとは
私がまだ小さい頃、テーブルに置かれたカステラを家族4人で切って分け合いました。
家族平等なので4等分ですね。
私のカステラは1/4カットされたカステラです。
その当時の私はそれだけでは満足できずに、もし、妹がいなかったら自分のカステラは増えるんじゃないか?
と考えたのです。
子供が私だけで3人家族なら、自分のカステラは3等分。
そんなわけで私が子供の頃は一人っ子の友達が羨ましかったのを思い出します。
「カステラを独り占めできていいなあ」と。
「分け合う人が減ると、自分の食い分が増える」
株式投資でも同じことが起きます。
自社株買いのメリット
株式投資を始めると、こんな言葉を聞くようになります。
「企業が自社株買いをした」
と。
自社株買いとは、その企業が発行した株を買い戻すこと。
ホンダが発行した株を、ホンダ自身が自分の財布からお金を出して買うようなものです。
。
上記で紹介したカステラでたとえるとわかりやすいです。
カステラは、一人っ子であれば1人あたりの食い分が大きくなります。
自社株買いもまったく同じ考えで、1株あたりの価値をあげてくれます。
仮に、10000の価値がある会社が、
100枚の株を発行していたとします。
すると、1株あたりの株の価値は、
10000÷100=100です。
ここで、この企業が、
「30枚、自社株買いします!」とすると、
自社株買いした30枚の株は、株式市場から消却して、70枚の株しか存在しなくなります。
すると、10000の価値がある会社が、
現在70枚の株を発行している事になるので、
1株あたりの価値は、
10000÷70=142となって、価値がアップします。
企業が自社株買いをすることで、
株主は持っている株の価値が上がって一人当たりの取り分は大きくなるというわけ。
カステラの大きさ(企業利益)はそのままで、
分け合う人(株数)が減れば、
一人当たりの取り分(1株あたり利益)はアップします。
なぜ企業が自社株買いをするかというと…
企業の株主への還元方法は、
「配当」と「自社株買い」の2つだからです。
・稼いだ利益の中から配当金で株主へ利益還元。
・稼いだ利益の中から自社株買いで株主へ価値還元。
この2つを融合させることで、
自分の会社に投資してくれた株主へ報いるシステムになっているのです。
経営者も、自分の企業の株を買い戻しているので、これから株価が下がるようなことはしません。
必死に、死に物狂いで経営していくわけです。
もちろん、これから株価が上がるかどうかなんて誰にもわかりませんが、強気サインであることは間違いありません。
自社株買いは、強気のサインなのです。
自社株買いのデメリット
ただ、自社株買いにはデメリットもあります。
企業が自社株を買う場合は現金が必要です。
企業の現金が減れば、経営上の資金繰りが苦しくなる場合もあるので、過大な資金を自社株買いに使うことはできないのです。
敵対的買収対策の自社株買いであっても、限界があるという事です。